a day

ハローでグッバイな

ゴールデンスランバー

以前から気になってたので、テレビでやってくれて、やった♪でした。


ひとりの善良な宅配ドライバー(堺雅人さん)が、首相暗殺犯に仕立て上げられ、警察を相手に決死の逃亡劇を繰り広げるというあらすじ。わたし、原作未読です。

面白かったです。楽しく見れました。
シリアスでシュールでサスペンスなのかなと思う始まりから、段々とエンターテイメントな人間ドラマに変化していきました。
バランスのいい作品にでした。小粋でテンポがよくて、後味も良い。
その分、サスペンスとしては物足りない部分もある。警察の追及は後半、ビックリするくらい甘くなるし、あんなに花火があがる部分も現実的ではない。
でもたぶん、それはいいんだろうな、と思った。そこを描きたいんじゃないんだな、と。

どんなに信じられない現実でも、ツライ状況でも助けてくれる人はいるし、信じられる物もある。
懐かしい青春時代。自分も友だちもみんな歳をとって、状況は変わってしまっているけれど、人の基盤は変わってなくて、同じ歌を口ずさんだりする。
なんかそういうのっていいね。っていうのが映画全体に流れていて。
シリアスもサスペンスも、まぁそこそこでいいかって思ってしまう。

俳優さんがとにかく贅沢。芸達者な方を贅沢にちりばめている。
この監督さんでは同じみの濱田岳さんのキルオが面白かった。途中で死んでしまったのを残念に思ったくらい。ちょっと不気味で可愛らしい、ピエロみたいな存在だった。
堺さんは。善良な人というには少しスパイスを感じるのだけれど、そこがまた最初は得体の知れない感じでよかった。この人の演技はいつも少しの違和感から始まって、徐々にひきこまれていく。
香川さんももちろん良かったし、赤い耳あてのスナイパーさんも不気味でよかった。宅配便の上司の人も和やかでよかった。

シーンとしては、カローラのエンジンがかかるところ、お父さん(伊東四郎さん)が「ちゃっちゃと逃げろ!」と言うところ。ここは泣けた。「人は同じタイミングで同じ思い出を思い出してる」みたいな花火師さんのセリフも印象的だった。わかる気がするし、そうだといい。
最後の「たいへんよくできました」のスタンプ、救われるなぁって思った。無様でも、生き抜いたから。

ラストに斉藤和義さんの曲がかかってビックリした。イントロだけで「ああ」とキュンとした。青春時代に好きだった曲って、なぜか今でも一音一音覚えていたりするものだなぁと思った。
いい時間でした。