a day

ハローでグッバイな

合言葉

今週のお題「父との思い出」

わたしが小さいとき、小学校低学年くらいの頃だろうか。
国の首都を答えないと部屋に入れてもらえなかった。合言葉みたいな感じである。

「スペイン」と父が言うと、
ふすまの外から「マドリード」と答える。
正解してたら入れる。

「ポルトガル」と父が言う。
「え〜〜〜……なんだっけ〜〜〜。わかんない!」
するとヒントが出る。
「リスのぼっちゃん」
「あ、リスボン!?」

こんな感じ。別に試験勉強をしてるわけではない。ただただ、父は地理が好きだった。
だから、テストに出るような有名な国だけでなく、子供が聞いたこともないような国や、小さな国の名前も普通に言ってくる。
モーリタニア」 「タンザニア」 「マリ」
ふつー、首都、知ってる??
ま、子供にとってはどれもよく知らないから、国名がメジャーかなんて関係ない。ただの記号みたいなもの。
楽しかったのかめんどくさかったのか覚えてない。どっちもあったような気がする。むしろ父が楽しそうだった。

今では、首都の名前もかなり忘れてしまったけれど。
タンザニア」の首都は「ダルエスサラーム」。得意気に覚えたその長い名前は、今でもしっかり覚えてる。
だけど、今まで父意外に誰もそんな質問をしないので、披露する機会は1度もなかった。
今ここで披露しておく(笑)

父はそんなに子育てに熱心な人ではなかった。あの時代はみんなそうだったのかもしれないけど、旅行会社に勤めていた父は、毎日遅くまで仕事や接待。口を開けば会社の愚痴。たった1日の休日は疲れて寝ていた。
別に不満に思ったことはなかったし、まぁいわば父は家庭の中の異人みたいなもんだった。居る方が非常、みたいな。機嫌が悪かったり、波風が立つことも多かったし。
だからかもしれないけど、むきあってやってくれたことは、やけに印象に残っているんだよね。
世界の話や、登山、それからキャッチボール。
思えば、それはみんな父の好きなこと、っていうのが父らしいけれど。
今その父は、孫に囲碁を教えようともくろんでいる。だけどあまり、成功していない。


続きに拍手のお返事です。ありがとうございます!


>nikocafeさん
わ!ありがとうございます!気軽に押してくださいませ〜。
こちらこそいつも楽しませてもらってます。雰囲気あるイラストが大好きです^^
声援してくださったのが届き、息子はもう大丈夫です。ついでにおじぎそうも元気です(笑)