a day

ハローでグッバイな

動物病院

アジソン病のうちの犬は、薬を飲み続けている。元気だ。
適切な治療を受けれているというのはありがたい。

月に一度動物病院に行く。
今通っている動物病院の先生は、ちょっとくえない雰囲気のある人だ。
どういったらいいんだろう。がんこおやじのような威圧感と無愛想、でも何か持上げたくなるようなちょっとしたカリスマ性があるように思う。
動物も、何か逆らったらまずいオーラを感じとるんだろうか。何されても大人しくしている。
怖がるわけでも、なつくわけでもなく、大人しくしている。
小さな病院なんだけど、先生が4人も居る。助手さんはひとりもいない。受付からレジから薬の調合まで、全部診療した先生が行う。そんな病院は初めてで、面白いなぁと思った。合理的といえば合理的だ。

先生の飼っている犬が、うちの犬と同じアジソン病らしい。
診察中にときどき、自分の犬の話をする。

「うちの犬がね…、今調子悪いんですよ…。ご飯をね、すこし残しやがるんですよ。そんなこと普段はいっさいないのにね…。」
「そうなんですか。…ご心配ですね…」
「まぁ、薬がね、なんかご飯ひっくりかえしちゃって、ちゃんと飲めてなかったのかもしれないんですがね。」
「ああ、そうなんですかー」
「このあいだ、輸血用の採血をしたから、それがストレスになったのかなぁとも思ったりするんですがね…」
「そうなんですかー。動物病院のワンちゃんも大変ですねぇ…。」

…なんて言ったらいいのかわからない…。延々そうなんですかを繰り返すわたし…。
病気のことは、先生のほうが知っているし、何のアドバイスができるわけもない。
これは、何のつもりで話してくれているのだろう。
同じ病気を持つ犬だから先生がただただ話したいのか、こういうケースもありますよとわたしに病気の情報を教えてくれているのか、それとも交流を深める世間話なのか。
口調もぼそぼそっとした単調な感じで、特に感情も読み取れない。
イヤではないのだけど、困惑する。例えて言うなら、学校の先生に、自分の息子の進路を相談されているような感じ、だろうか?
いつも、わたしの返事ってあれで大丈夫だったんだろうか…と思いながら帰り道の自転車をこぐ。

そう思うと、人と話すときって、この人どういうつもりで話しているのかな、とかどういう答えを求めているのかな、とかいつも考えながら話しているんだなぁと気付く。調子を合わせるのも自分の意見を言うも、相手のベースがわかってこそ、というところがある。立場や関係によって全然違う。

待合室にフクロウとオウムとセキセイインコがいる。病院のペットというか職員というか。間近のフクロウは迫力ありすぎてびっくりした。オウムは、コンニチワとかいうのかな?と思って話しかけると「ゴクロウサーン」って言って、笑った。