べし

先日、入学グッズをぼちぼち準備しよっかな〜と手芸屋さんに行った。
ミシンに苦手意識があるわたしは、ぱぱっとできる気がしない。今頃からやっておけば、間に合うであろうと考えた。

ほんとは売っている。できあがったやつが。
だけど、苦手なわりには、買ったらいいじゃんと割り切れない。
頭のどこかに、作るべしと命令する影がいる。
母親はそれくらいやるべしと。
わたしが言っているんじゃない。べしが言っている。

手芸が得意なAさんが、「作ってあげるよ！生地もってきてくれたら全然作るよ！言ってね！」と優しく言ってくれる。
いろいろスパッと割り切れるBさんが、「ポケモンとかの買ったほうが喜ぶよ〜。ジャスコで1980円だよ〜。」と明るく言う。
うーん、誘惑にゆらぐ。そのほうが賢い気もしてるんだけど…。「べし」って誰かが言うんだよ。

やはり母の記憶なのかなぁ。ちいさい頃だけだけど、服もセーターもリュックサックも全部手作りだった。暇があったし、そのほうが安かったからね、と。
妹とおそろいの、なんだか微妙なデザインの服。
セーターや帽子は、小さくなったらほどいて編みなおして。よく毛糸を巻くのを手伝った。すっごい蛍光オレンジみたいなド派手な毛糸とか、逆にすごくババくさい赤紫の毛糸とか。
刺繍にアップリケ、毛糸で作った花とか。どれも図案が古臭くて、子供から見ると・・・・だったけれど。
でも友達と、人と比べるまでは、わぁ〜、すごいって喜んでた気がする。

まずはキャラクターの布を見る。
大人からみるとがらがらしてうるさいばっかの生地だけど、これがおそらくいちばん喜ぶであろうと。
ポケモンにワンピースに仮面ライダーにマリオ。
えっと。１ｍで、　　…2,400円…。
に、2,400円！？ウソでしょ？？？(ﾟﾟﾉ)ﾉ

何もついてない布はその半額くらいだ。ポケモン代たっか！
できあがってるの買ったほうが安いじゃん…。マジでか。
でもさ。普通の布だって、それなりにするものなんだね。はぎれとかの値段しか見たことなくて、知らなかった。
手芸が趣味な人を見て、きっとすごく安上がりなんだろうなぁ、いい趣味だなぁ。なんて思ってたけど、
ちがうのね。趣味なのね。安くないのね。
最近、手作りのほうが高くつくっていう事態がよくある。既製品が安くなっているのか。

結局2,400円に負けて、ごく普通の布を買ってしまうわたし。母にもこういう葛藤あったろうか。
それにしてもね、男の子の生地ってつまんない。車と飛行機、海賊にサッカーボール、ステレオタイプ！
女の子は童話にスイーツにハートに花柄、可愛いのからファンキーなのまで、大人から見ても可愛い生地がたくさんあるのに。
わたしが女だから目につくってのはあると思うけれど、それにしても業界は男子に関して手抜きじゃないか？！

とりあえず今日カバン作った。わたしにもできた。レッスンバッグ。

作り方のとおりに作れば、誰にでもできるもんなんだね…！（そりゃそうだよ、袋くらい）
カバンのマチってこうやって作るのか…！とやや感動。（笑ってくだされ）
できあがった時、犬しか家にいなかったので犬に見せたという。（アホです）

けど、このままではやっぱりだいぶ寂しい。息子も喜び辛かろう。
工夫するべし…。とまたべしの声。
ポケモンのアップリケを作ってみようか。きっとまだ、わたしが作ったやつでもだまされてくれると思う。
やってみてよかったところは、達成感と愛着。愛着は生活を楽しくする。