ディア・ドクター
引越し前のブログに書いてた映画の感想をいくつか。
自分用の備忘録に。
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鑑賞後に複雑な気分になる映画だったなぁ。
もしかしたら主題とは違うのかもしれないけど、わたしが1番印象に残ったのは、とにかく景色が綺麗なこと。「山紫水明」という言葉が思い浮かんでしまうような、湿り気を帯びた日本の風景。むしょうに懐かしい感じがした。
一人暮らしの老人宅が何軒もうつるのだけど、そのセットの細部の見事なこと。これまたどこかで見たようなどこにでもあるようなそんな風景。食器棚とか台所とか玄関とか。
レトロとも違う、リアル。映画ってこんな風にできるんだな〜と思った。これがリアルなことで、死を待つお年寄りたちの姿も同時にリアルなものに感じて身につまされた。
俳優さんも文句なく素晴らしかった。芸達者さんばかり。余さん、香川さんがおそろしいほど上手かった。鶴瓶さんもピッタリ。
ともすれば辛気くさくなりそうな画面に、瑛太くんと井川さんがきらめいてるのもよかった。
どう捉えていいのか難しいお話だけど、持って行き方がうまく、飽きずに見れました。
ただ、音楽が狙い過ぎに思えて好きになれなかった。せっかく抑えたメッセージ性を、音楽で匂わせすぎたように思う。ときどき訪れる「ここがポイントだよ」的な間もちょっとイヤでした。
全体的に、いろんな香りが(いい香りもそうでないのも)混ざりあって匂い立つような、そんな映画でした。面白かった。