飛べ!
なわとびをね、幼稚園でやっているんです。
年中さんは、20回飛べたら合格。賞状がもらえる。
お兄ちゃんお姉ちゃんがいる子はやっぱり早い。生まれ持った素質もある。
50回も60回も飛んでる子がたくさんいる。
でもうちの子はコツがつかめないのか、なかなか飛べない。
「1回」を3回くりかえして、3回飛べたよ!くらいの感じ。
ワキをしめて飛べない、足をそろえて飛べない、ぐるぐる続けて回せない。
見てるといらいらして、やっぱりアドバイスしたくなるんです。
なぜなら完成形も知っているから。もっとこうってのを知ってるから。
ワキが開いてるよ!とか。もっと早く回したら?とか。
でも、本人はわかっててもできない。だから言い訳ばかりする。
できないから、やりたくなくなる。悪循環です。
ある日もう全部やめて、一緒に練習するのもやめた。
ベランダに縄跳びスペースを作って、ただ頻繁に飛ばすことにしました。もうあんま見ない。
そして最終手段。ご褒美作戦。
20回飛べたらちっちゃいオモチャ買ってあげる。30回飛べたら、オモチャ屋さんのオモチャ買ってあげる。
そしたら、ただ黙々と練習してね。
驚いたことに20回飛んだんだよね。約束だからちっちゃいオモチャ買ってあげた。
そしたら次の日に30回飛べた。
いやー、ビックリです。
それが全然、最初と飛び方は変わってないの。どったんばったんしながら、「1回」を30回飛んだ。
コツをつかんだというよりは、意地に近いものがある。
飛べるようになったかというと、まだまだだ。
でもまぁ、いいかと。縄跳びをイヤがらなくなったから。
やっぱり自分のモチベーションなんだなぁと思った。
人からいくら言われたってその通りにはできなくて、ただ回数重ねて泥臭くやっていくしかないのねぇと。
実はわたしご褒美ってあまり好きじゃなかったんです。
運動会がんばったら買ってあげるとか、お遊戯会がんばったら買ってあげるとか。
ご褒美なくてもそんなもん、がんばれと思うし。
なんでもご褒美がないと動かないようでは困るって思ってた。
だけど有効なときもあるね…。要は使い様なんでしょうか。
大人もたまにはご褒美欲しいときあるもんねー。
今度は幼稚園でがんばれ。ご褒美は賞状と拍手だ。